[5936]
おには |
=@Yp= 16/02/02(Tue) 20:10 |
| |
|
|
節分をまえにして、すこし、自分のことをお話させてください。
こちらにも、わたしが産後、「産褥精神病」をわずらったことを書きましたが、 いまでも、そのときのことは、はっきりと憶えています。
わたしの体は、現実の世界に生きていながら、精神は、夢のなかにありました。 それも、とても悪い夢でした。 ずっと、「母と夫に、自分は殺される」という世界のなかにいたのです。 そして、「自分は世界で一番不幸な母親になったのだ」と思いながら、 床上げ前に、絶望的な気持ちで、洗い物や、掃除をしていました。
その病の中にあるとき、わたしは数々の、ひどいことばが自分の口から出るのを 聞きました。 自分は、こういう人間だったのか、と、あとから振り返って愕然としたくらいです。
いまになると、そのとき、わたしのなかの「鬼」が外に出できたのだ、 そう考えるようになりました。
そして、「鬼」は「鬼」を誘発するようにも、感じました。 母のなかの「鬼」も、夫のなかの「鬼」も見ました。 ほんとうに長くおそろしい時間でした。
わたしは、これから赤ちゃんを産むお母さんたちに、こんな思いはしてほしくない、 こころから、そう思っています。
おそらく、複合的な要因からの病だと思うのですが、環境要因は、 かなりおおきな割合をしめるのではないか、と 自分なりに推測しています。
わたしの場合は、なんとしてでも、赤ちゃんを守る、という意識が つよくあったので、まだ良かったのですが、 場合によっては、その悪い夢のほこさきが、赤ちゃんに向く場合も あるようです。
「鬼」は、すべてのひとのなかにいる。 わたしは、そう思っています。 ふだん、身をひそめていても、なにかのきっかけで、出てくることも、ないとはいえない、と。
ですから、かんたんに「鬼は外」とは言えない自分がいます。 かといって、なんと言えばいいのか、いまはまだ答えがみつかりません。
とにかく、いつか、「鬼」とうまくつきあっていくための方法を、 未来のために、のこしたい、そして、こどもが犠牲になることは、 けっしてあってはならない、と、つよくつよく願っています。
すべてのこどもたちが、守られるせかいになりますように。
ながく、おもい話をさいごまで聞いてくださって、ありがとうございました。
よい節分をおむかえください。
|
|
|